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It’s Hirokky. How’s your day?
様々なインテリアスタイルの中で、僕がいちばん好きなアール・デコについて書いてみたいと思います。
アール・デコとは、装飾様式の一つです。第一次世界大戦(1914~18)で延期されていたパリ万博(現代産業装飾芸術国際博覧会)が1925年に開催され、その名称、「Exposition Internationale des Arts Décoratifs et Industriels modernes」の略称である「Arts Décoratifs」から、後に「Art Déco(アール・デコ)」とよばれるようになりました。
タイポグラフィのイメージ↓
第一次世界大戦後は、都市文化が花開き、大量生産が求められるようになった時代。戦前の、芸術は一部の富裕層の象徴のようなものという時代背景が変化して、大衆に向けて、合理的で直線的なデザインであることが重視され、装飾的なものより機能性が求められた時代の流れの中で、アール・デコは広まっていきました。
アール・デコは、万博開催地のパリでは残念ながらあまり盛んにならず、大きく花開いたのはアメリカでした。ニューヨークのクライスラービル、ロックフェラーセンター、エンパイヤステートビルはその一例で、華やかに都市文化が輝き始めた場所でした。他にもウォルドルフ=アストリア、ラジオシティ・ミュージックホールなどが代表例です。
他に、フロリダ半島のマイアミビーチもアール・デコのスタイルが広がった場所です。ニューヨークを中心とした東部の人口密集エリアから南下する高速道路も開通し、本格的なリゾート開発が大規模に進んだ地域でした。
日本のアール・デコ様式の代表作と言えば、やはり白金にある東京都庭園美術館。冒頭の写真がそうです。
旧皇族の朝香宮鳩彦王が、パリ万博を観覧され、その様式に対して強い関心と理解を示されまして1933年に建てられました。1947年までお住まいになって退去された後は、吉田茂が外務大臣公邸として、または迎賓館として、そしてプリンスホテルの本社として利用されるなど変遷を経て、1983年に都立美術館としてオープンしました。庭園も気持ちがよく、その中のレストランも雰囲気がいいです。
他にも、山の上ホテルや新宿伊勢丹などが代表例ですが、北原照久さんのコレクションの一つでもある、昭和初期に旧竹田宮別邸として建てられたボートハウスが有名です。お伺いする度に、いつも細部まで見てしまいます。
アール・デコは建築物やインテリア以外にも、最初のタイポグラフィやポスターなどのデザインスタイル、小物に至るまで当時幅広く浸透した様式でした。
そんなアール・デコも、第二次世界大戦の勃発と、都市文化の衰退とともに、1940年以降第一次ブームが終焉を迎えることになります。戦後、世の中が落ち着いてきた60年代に再び復活。以降、何度か盛衰を繰り返しながら今に続きます。
今度の007の新作「ノー・タイム・トゥ・ダイ」のタイトルロゴも、アール・デコの影響を受けたと思われるFutura Blackという書体です。
というわけでアール・デコのデザインは、意識すれば見かけることが多いと分かります。そういえば東京駅すぐの新丸ビルもこのスタイルでしたね。
店舗デザインの作品アーガイブ / デザイナーズショーケース - 新丸ビル/SHIN MARUNOUCHI BUILDING
このちょっとノスタルジックでモダンな感じ。やはりアール・デコ好きです。
それでは、またです。
Let there be prosperity.