こんにちは、ひろっきーです。
前回は前話しが長すぎたので、今回から本編です(;゚д゚)。
早朝、旅の参加者全員が新幹線に乗り込んで揃ったところで、
なんと、
え?
師匠が突然お点前をスタート!
お干菓子もあって、
参加者一同、師匠の突然の「新幹線点前INのぞみ」にすっかり感動し、ワーキャー言いながらお点前をいただきました。朝からテンション上がる〜。
周りの方々にはご迷惑をおかけいたしましたm(_ _ )m。
それにしても、こんなにかさ張る道具をご持参いただいて、師匠、誠にありがとうございました。
いきなりの師匠のサプライズに、この旅の進行役としては嬉しい限りでした。抹茶のおかげでみんなもすっかり目が覚めて、そうこうしているうちに京都に着きました。
京都駅に着いたら、事前予約しておいたMKタクシー京都さんのチャーター車が待っていました。このチャーター車は「ラグジュアリーワゴン」と言って、MKさんがオリジナルで改造したらしく、9台しかないとの事。座席が360度回転できるのでサロンカーのような雰囲気で旅ができます。超快適!
実は今回の旅で、この車にみんなで乗ることが僕の楽しみの一つでした。みんなが喜んで乗っている姿に思わず涙が出そうになりましたよ。
さて、初日のスケジュールは、
【京都茶道の旅 1日目の旅程】
1. 妙喜庵「待庵」
2. 桂離宮
3. 嵐山
4. 天龍寺
5. 栂尾山 高山寺
となっております。
1.妙喜庵「待庵」
参照(上記2枚共):妙喜庵(みょうきあん)茶室待庵 | 山崎観光案内所
今回、師匠が開口一番、「ここはみんなに観てもらいたいところ。」という事で最初に決まった目的地、妙喜庵「待庵」。
この「待庵」は、愛知県犬山市の「如庵」、京都市大徳寺の「密庵」とともに国宝三茶室に数えられていて、千利休が作ったと言われている唯一の現存している茶室。さらに日本最古の茶室建造物なのだそうです。なるほど、茶道をやるものとしてはこれは見逃せない!という事で、旅程の最初に入れました。
「待庵」は完全予約制で、拝観日時の1ヶ月前以上に往復ハガキでしか予約できません。今回は3ヶ月前にバッチリ日時を確定しておきました。
場所はJR山崎駅。あのサントリーの山崎工場があるところ。道中、僕の頭の中では井川遥さんのハイボールのCMが回っていたのは言うまでもありません。京都駅からは車で30分ほど。駅前にすぐあるので分かりやすいです。入り口の門からは撮影禁止でした。
事前情報では、説明も何もなくあっという間に見終わるという事だったのですが、ご案内してくださったお坊さんが熱心にしゃべることしゃべること。一同もっと聴いていたい雰囲気の中、タイムアップ!「次回は1時間はみておいてくださいね。」と言われました。
ツアー進行役としては痛恨のミス。でもしょうがない。次回にメモメモ。
2.桂離宮
この場所は、僕が師匠に勧めさせていただきました。3年前ほどに初めてここを拝観させてもらった時に、とっても素晴らしい庭園と複数のお茶室があり感動したからです。且つ、京都の宮内庁管轄の施設で雰囲気が厳しく、予約も面倒なプロセスを得なければなりません。普通はなかなか行けない場所なので今回の訪問先リストに入れました。
僕が桂離宮を初めて知ったきっかけは、インテリアの仕事をしている時に、ある顧客から「桂離宮の日本庭園を見ずしてよくこの仕事をしているね。」と言われたことがあったからです。悔しかった!調べたら20世紀前半に、ドイツ人建築家のブルーノ・タウトがここを訪れた時の日記に「泣きたくなるほど美しい」と絶賛しており、欧米人にも人気がある場所でした。
この桂離宮の予約も、先ほどの「待庵」同様に3ヶ月前から準備しました。ネットやハガキが通常ルートですが、希望日時を早く確定しないと旅程のスケジュールが立てられなかったので、宮内庁にご連絡して、出向いて登録をさせていただきました。その際に茶道の先輩にご尽力いただきましたこと有り難かったです。
今後は、桂離宮は有料になるとも言われているので、今回観ることができて本当に運がよかったです。
職人さんが作るのに1日10センチしか進まなかった「御幸道」
視界が開けるとお茶室が、
襖の色具合がいい感じでした。
この桂離宮は1615年、智仁親王(初代八条宮)が造営に着手して、約47年後の智忠親王の代にほぼ完成した宮家の別荘です。約6万9400平方メートルの敷地に、古書院、中書院、新御殿。池のまわりに書院、茶亭を配していて、庭と建築の構成や融合が素晴らしく、当時最高の建築技法を駆使した日本庭園美の集大成といわれています。
宮内庁のガイドさん。
ぞろぞろと、
話の面白い宮内庁のガイドさんが引率してくれて約1時間の拝観。少しでもルートを外れようとすると厳しく注意されます。石を踏み外すと苔を踏んでしまいます。その苔は10年経過しないと元に戻らないそうで、一同、慎重に列をなして進みます。
道中、少し色づいた木々もあり、
過去20数名ダイブしたという橋を渡り、
軒下を見ると手が込んでいて、
庭園はしばらくボーッと見ていたいほど素晴らしく、
ところどころ小川が流れていて、
風情のある道が続き、
細かい意匠も抜かりなし。
松の木で全貌を隠すという客人への配慮もありました。
とにかく素晴らしい庭園や建物の数々でよく手入れされています。この桂離宮にはピンとした空気感があって、なんだか背筋が伸びました。日本人の古来の感覚を思い出させてくれるような、何か遺伝子にスイッチが入るような感じがしました。
こうして約1時間の拝観ツアーが終了。ガイドをありがとうございました!
3.嵐山
ここらでランチタイム。
保津川がよく見える茶寮で、
まずはビールをゴクリ!
お昼は渡月橋近くの保津川が見える場所にしようと、事前に手配しておきました。紅葉には早いですが、保津川と山の緑が織り成す風景はやはり素晴らしく、昼からみんなでビール。美味しい鯛茶漬けをいただきました。
翠嵐 ラグジュアリーコレクションホテル 京都内にある「茶寮 八翠」と言う川沿いのカフェでした。
ここから歩いて数分したら次の目的地、天龍寺です。食後の程よい運動になりました。
4.天龍寺
天龍寺は後醍醐天皇の菩提を弔うため暦応2年(1339)に創建された臨済宗の禅寺です。もともとは名勝嵐山や渡月橋、天龍寺の西側に広がる亀山公園なども境内地だったそうです。また、世界遺産にもなっています。
入り口にどーん。
お坊さんがわざわざ出迎えてくれて、庭の解説をしてくれました。
彼岸花
「そこ、聞いてんの?」
ここでは師匠の希望により全員で写経をやりました。これも事前予約をしておいたのですが、和尚さんがわざわざ出迎えてくれて、写経会場までの道中、いろいろな花を説明してくれました。茶道では花を覚えることも稽古の一つなので、みなさん楽しく勉強されていました。こんなに花や草が充実しているお寺とは思ってもみなかったです。
境内には川も流れていました。
お坊さんの話が続き、
いい酔い加減で、
ランチで少し酔っ払ったので最初は手元があやふやでしたが、後半あたりで集中力を取り戻し約20分で書き終えました。早く書き終えればいいものではなく、やはり丁寧さが必要なんですね。しっかり時間をかけていた先輩方の文字は綺麗で美しく、自分のいい加減さを自省しました。
天龍寺から嵯峨野の竹林の道を歩いて、チャーター車に乗り込みます。次は山間に向かいます。
5.栂尾山 高山寺
夕方近くに初日の最後の訪問先、栂尾山 高山寺に着きました。
高山寺の創建は奈良時代に遡るともいわれ、その後、神護寺の別院であったのが、建永元年(1206年)に明恵上人が後鳥羽上皇よりその寺域を賜り、名を高山寺として再興したとの事。
石段をてくてくと、
間もなく到着。
ここには日本最古とされる茶園があります。栄西禅師が宋から持ち帰った茶の実を明恵につたえ、山内で植え育てたところ、修行の妨げとなる眠りを覚ます効果があるので衆僧にすすめたといわれています。当時は「闘茶」と言うお茶を飲んでその産地を当てるという遊びが流行り、栂尾の茶を「本茶」、それ以外を「非茶」と呼んで茶を飲み比べていたそうです。
縁側で少し寛ぐ。
石水院から望む景色は素晴らしく、秋空が広がっていました。誰もいなくて貸切状態をいいことに、一同、なかなかのはしゃぎっぷり。
こうして朝から予定盛りだくさんの1日目が過ぎていきました。
ホテルにチェックインする前に、
MKタクシー京都のドライバーさんとはここでお別れ。お世話になりました。
ホテルにチェックインして少し休んだら、本日最後のお楽しみ、ミシュラン一つ星の「祇園なん波」で夕食。
キビキビとお料理を準備してくれて、
口がいきなり悦んで、
松茸とハモの椀に感動し、
地元の冷酒も美味しくて、
このアワビはずるいほどに柔らかく、
ご飯も上品な味でした。
最後にお抹茶と主菓子を頂けました。全てが美味しい料理の数々。
しつらえにもオモテナシを感じました。
サプライズで、師匠のご友人で裏千家の茶道の先生を同じくしている、京都在住のカナダ人、コレットさんが同席。
師匠から前日に、「外国人のゲスト来るからよろしく~」と言われて内心ビビってましたが、楽しく英語で話せてよかったです。お店の方もご準備ありがとうございましたm(__)m。
こうして初日の夜が更けていきました。
ホテルへ戻って、
突然、一人の先輩に「ちょっといい?」と呼び止められ。。。
「あれ、なんかやっちゃった?」
「気づかずに師匠に、何か失礼な事をしちゃった?」
「事前に夕食に苦手なものを聞いていたのに、しっかり入っちゃってて怒っちゃった?」
いろいろな思いが巡る中、ガクブル(;゜0゜)しながらロビーのソファに座ると。。。
え?
師匠からサプライズー!!
今回、ツアーの計画と進行をしてくれたお礼という事で、皆さんから新しい帛紗をいただきました。
これでお茶杓を拭く時に、帛紗に付く汚れを気にして思い切ったお点前をしていなかった小さな自分ともおさらばー!
ありがとうございます。
その後、本日無事に終わったことを一人ホテルのBarでねぎらったのでした。
カクテルの名前は「セイメイ」。金粉と星でGood Luck に満ち溢れるぜぃー。
明日も頑張ろう。うん。
2日目は、また次回です。