実際、自分の仕事人生はインテリアに関わっていた時間が多かったので、いろいろな考えを持ってしまうものです。
例えば、環境によって人は影響を受ける。とよく言われています。
人からの影響はもちろんですが、物質からの影響力も侮れないものがあります。
外にいるときは環境を比較的自由に選びやすいです。
シンプルにそこから立ち去るなどの移動をすれば環境を変えられます。オフィス内でも会議室や自分のデスク、他部署や他フロアなどの移動。そしてランチや営業、出張などで外に出たりと業種にもよりますが割と動ける機会があります。
最も動きにくい、環境を簡単に変えにくいのは自宅です。
帰ってきてから出ていくまでは「自宅」という環境に支配されます。それゆえ自宅内の環境、つまりインテリアという環境から受ける影響は、逃れにくくて強力です。
世界最古の科学雑誌で「Scientific American」というアメリカの雑誌があります。今も発行されているのですが、その2009年の記事の中に「How Room Designs Affect Your Work」というテーマがあります。
天井の高さや、室内の色、明るさ、グリーンなどでその室内に居る人のパフォーマンスが変わるということが書かれているのですが、ソファーやダイニングなどの家具や雑貨も室内構成要素の一つとして考えると、人への影響力はそうとうなものです。
こういう事を一つ一つ調べていったらキリがないのでプロがいます。
DIYでは到底カバーできません。素人のコーディネート例をいくら見てもしっくりしないのはこういう事です。
いろいろな科学的背景や歴史などの学問を理解した上で建築家やデザイナー、コーディネーターやスタイリストがいます。これまで代わりに勉強して知識を蓄えてきてくれているのでお金がかかります。
自分の好みを知っておくことはいいですが、インテリアは自分だけで決めない。
その方がうまくいきます。
時には、一見自分の好みではないインテリアを揃える要素も出てきます。